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リンパ腫のコーギーを化学療法で治療

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更新日時:
リンパ腫のコーギー
  • 病名:リンパ腫
  • 犬種:コーギー
  • 性別:オス
  • 年齢:7歳

今回は「食欲不振が続いている」と飼い主様からご相談を受け、体中のリンパ節が腫れているコーギーを検査した結果、リンパ腫と診断され化学療法で治療した症例についてご紹介します。

犬のリンパ腫は悪性度の高いがんであり、早期発見と適切な治療が重要です。
当クリニックではリンパ腫の治療にも積極的に取り組んでおり、多くの症例で治療成果を上げています。

犬のリンパ腫とは?

犬のリンパ腫はリンパ系組織に起因する悪性度の高いがんの一腫で、リンパ球と呼ばれる細胞ががん化してしまう病気です。リンパ球は体内の免疫系に関与しており、体内の異常な細胞を攻撃する役割を担っています。しかし、リンパ球ががん化するとがん細胞が増殖し、患部に腫瘍が形成されます。

また、他のがんと比べて比較的発生率が高く、高齢の犬に多く見られます。症状としては、リンパ節の腫れや硬化、体重減少、食欲不振、嘔吐、下痢などが見られます。

治療方法

リンパ腫は、早期に治療を開始することが重要です。化学療法や放射線療法などが一般的に用いられ、犬の場合はこれらの治療法に対する反応が良好であることが多いです。

多くのケースで1週間に1回の化学療法を実施し、8回終了した段階で 2週間に1回の投与に期間を延ばし、全25週間で終了する方法が一般的です。

ただし、化学療法や放射線療法による副作用もあるため、獣医師と相談を行いながら治療方針を決定する必要があります。化学療法や放射線療法で効果が出ない場合には、患部の切除や対症療法が行われることもあります。

化学療法の実施と経過

実施と経過

検査後すぐに化学療法を開始しました。
前述の通り、今回は1週間に1回の化学療法を実施し、8回終了した段階で2週間に1回の投与に期間を延ばし、全25週間で終了する方法を行いました。
※化学療法の投与についてはこの他にも投与方法がありますので適宜ご相談させて頂きます。

結果と今後の展望

化学療法の反応は良好で所定の期間で上手く腫瘍を抑える事ができ、元気に生活に戻る事が出来ました。もし再発してしまった場合は再び化学療法を始める事になります。

リンパ腫は悪性度が高く進行も早いため、早期発見と検査による正しい判断が必要になります。
一番最初の些細な異常に気付けるのは飼い主様やご家族の皆さんになります。
いつもと様子が違ったり、異常が見つけられるように、少しでもたくさんの時間触れ合って愛犬との楽しい時間を普段からお過ごし下さい。

終わりに

今回の症例はコーギーに限らず多くの犬種に共通して起きる可能性があります。

ゴールデンレトリバー、ボクサー、ドーベルマン、セント・バーナード、ブルドッグ、ブラック・アンド・タン・クーンハウンド、ブルマスティフ、ブリアード、ユークリッド・スパニエル、ラブラドール・レトリバー、シーズーなどがなりやすい犬種と言われています。

この症例を通じて、腫瘍やがんの治療について知っていただくことができれば幸いです。
今後も、当院ではリンパ腫をはじめとしたがん治療に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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